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・~フォーカル・ジストニア(脳機能障害)から復活したギタリスト~ 村上幸史 クラシックギターリサイタル J.S.バッハ vs バーデン・パウエル 、行って来ました

・~フォーカル・ジストニア(脳機能障害)から復活したギタリスト~ 村上幸史 クラシックギターリサイタル J.S.バッハ vs バーデン・パウエル 、行って来ました_d0171514_02315999.jpg

9月18日、30年以上も前にちょこっと習っていたクラシックギターの師匠のリサイタル、行って来ました。
諸々迷いましたが、午前と午後の2回の公園と、その後の懇親会まで、参加して来ちゃいました。
師匠とは2年前、フォーカルジストニアという病気の復帰コンサートの時に、四半世紀以上ぶりにお目にかかったわけですが、その時の日記ブログにも書きましたが、四半世紀以上の時の隔たりを経てもそんなことはものともせず、一瞬にして当時の感覚さながら、そして私も歳をとり丸くなり、年齢を重ねたことが逆に師匠とのやり取りに軽やかさを生んで、より、師匠と親和を増した会話が出来ることに、感慨深いものを感じてまいりました。

私としては思いがけずに、師匠と二人で音楽の深ぁい話をさせて頂き、と言うより師匠から実に様々に音楽の深ぁいお話しを伺うことが出来て、それは本当に、私の六感に、特に今の私には計ったように絶妙なタイミングで、ズシン!!と入って来ました。
敵いません。師匠には。私のことなど会わずともお見通しです。やはり師匠はいつまで経っても、私にとっては師匠であります。

師匠の演奏、何か言おうとしても、私には過ぎる難しいことになって空中分解してしまいます。でも2回目の公演の際に、その前に会話していただいたことの意味を少し感じ取ることが出来たような気がいたしました。1回目の公演、特にバッハのシャコンヌの時に漠然と感じた不思議さが、なるほどそういうことだったのか、だからああいう表現になっていたんだと。
人生の極々僅かですがクラシック音楽を趣味にする私にとっては、一生徒として勉強というより、新たに知る、経験でした。

音楽について新たに知るのは、日々日常の、音楽とはかけ離れた生活や役割、山積してゆく問題、優先事項、健康不具合の中に埋没しがちな一般人の私にとっては、為になるというより本当に、楽しかったです。

特に師匠の場合は、理をもって解るというより、感覚的に感じることをさせて頂けるので、そういう質の私にとっては、理論など何も知らずとも、音楽をより奥まで感じることができ、解りやすいのです。

師匠の晴れやかな笑顔、最高です!



プログラム

J.S.バッハ作品集
1.鍵盤楽器の為のパルティータ第1番より「プレリュード」
2.無伴奏バイオリンソナタ第1番より「アダージョ&フーガ」
3.無伴奏バイオリンソナタ第3番より「ラルゴ」
4.無伴奏バイオリンパルティータ第3番より「シャコンヌ」

      休憩

バーデン・パウエル作品集
1.ASA DELA ~ハング・グライダー~
2.PETRATO BRASILEIRO ~ブラジルの肖像~
3.WALTZING ~ワルツ~
4.SAMBA TRISTA ~悲しみのサンバ~
5.SWIMMING BOSSA NOVA ~ スイミング・ボサノバ
  ~
6.VALSA SEM NOME ~名もなきワルツ~
7.TEMPO FELIZ ~テンポ・フェリス~

アンコール
1回目公演 パウエルの曲(タイトル忘れました)
2回目公演 主よ、人の望みの喜びよ パウエル編曲



フォーカル・ジストニアについて(今回のパンフレットより)

 フォーカル・ジストニアとは、精緻な練習の積み重ねが要因となり、脳内に形成された異常な回路により生じる不随意な指の動きで、演奏に支障をきたす、後天的な脳の機能障害。腱鞘炎、関節炎などの肉体的問題ではないので、痛みを伴わないのも、この病気の特徴。

 21歳で発病し、在職中を含め34年間の長きにわたり右中指の不調に苦しみ続けたが、3年半前、世界で唯一、異常のある脳細胞を定位脳外科手術で治療を行う東京女子医大、平孝臣教授の手により、完全復帰を遂げる。
 現在では、MRI に搭載された超音波による治療機器が新たに開発され、解頭手術をしない最新の治療方法も行われるようになり、3、4日の入院で完治が期待できるようになりました。
 ギタリストを始め、数多くの音楽家を悩ませているフォーカル・ジストニアですが、病名、治療法を知らずに悩む方も多いのが現状です。このような機会を通じて、あまり知られていないこの病気の啓蒙活動も行っています。手術は健康保険も適用されるので、それほど高額な治療費もかかりません、
 気になる方は Facebook で yukifumi murakami を検索してご連絡を頂ければ、お答えいたしますので、お気軽にご相談下さい。
                               村上幸史



2年前の日記に記載した フォーカル・ジストニア についての文章です
http://soranosoto.exblog.jp/22216047/



そして、信じられない最早必然と言うべき再会が、ありました。
2回目の公演の休憩中に私に声をかけてくれたその人は、私が20代後半から30代半ばにかけて、本当にお世話になった、恩人でした。けどもう、お会いすることもないんだろうなと、思っていた方。
当時、いつ自ら命を絶ってもおかしくない状態の私を数年に渡り、唯一、支えてくれた方です。
7年前にくも膜下出血で倒れて大きな手術を受けたあと、今はリハビリの毎日で、杖を使ってゆっくりゆっくり歩いておられました。そして当時もお好きでいらしたクラシックギターを、今も習っているそうです。しかもその講師の方は、私がクラシックギターを習っていた当時から知っている方でした。このことにも本当に驚かされました。
そんな恩人に、師匠のリサイタルでお目にかかれるなんて。私にとっては奇跡のようなものです。
公演が終わったあとその方はゆっくり送迎バスに乗られ、私は走り去ってゆくバスの後ろ姿を見送り、バスが見えなくなってもしばらくはその場に立ち尽くし、離れることができませんでした。
恩人のその方は仰いました。
「人生って不思議なことがあるねぇ」。



更に、前日の17日に、こちらはコントラバスの師匠のコンサート、行って来たわけで。
私にとっては何から何までマジックのようなボーイングとフィンガリングの巧さに、夢のような時間を過ごしたことは言うまでもありません。
おまけに、帰りにカフェで、ピアニストの方と三人で、珈琲と濃厚パンナコッタ、ご一緒しちゃいました。
私、ニンマリであります。












by soranosoto | 2017-09-19 23:59 | ・ 今日この頃・・ | Comments(0)
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