本日4月11日、渋谷で松野先生のご葬儀があるそうです。 ・ ・ ・ 3月26日(日)、4月1日(土)にリハーサル、4月2日(日)にGP、本番と、 日弦協(日本弦楽指導者協会)が年に一度日本の各地で行っている、 第79回全国大会 JASTA STRING FESTIVAL 2017、なるものに、先生の「参加しませんか?」の鶴の一声甘い誘惑、にあっさりちゃっかりシドロモドロになりつつも乗っかって、参加してきました。 わたしは、JASTA STRING FESTIVAL 初の、コントラバスだけの合奏、2曲と、合同合奏2曲、計4曲、弾いてきました。 今年は17年ぶりの静岡県の開催ということで、清水文化会館マリナート大ホールにて、北は北海道から南は沖縄まで日本全国から、先生方、その門下生合わせて総勢300名近くの人達が一同に会して、様々なアンサンブルと合同合奏が行われました。 26日のリハに丸一日参加した足の痛みの結果を鑑みて、4月1日(土)は前のりと決めて急遽部屋を探し、会場近くのビジネスホテルにお泊まりにしました。4月1日のリハの後、夜に電車で沼津に戻って、翌日の朝は7時半に家を出て電車で清水まで行くのは、わたしの足には至難の技でありまして、26日の経験上ちょっとムリかも、と。 前のりしたおかげで本番当日、朝は会場近くのホテルからタクシーの初乗り料金で会場楽屋口前まで運んでいただけて、それだけでもどんなに心安らぐことかしれません。 4月1日・2日と丸二日間、足的にはまるで拷問に合っているような塩梅で、疲弊も遥かに超えて、倒れる寸前のところをどんだけ我慢して2日間耐え抜いたことか、そんなことは誰一人として解ってくれる人はいません。人の体の痛みなど、本人と、同じ体験をした経験者にしか解り得ないことですからね。 でもコンバス的には、これも一つの経験、となりました。いろいろな観察が出来、いろいろな方々を見て、失礼を顧みず何人かのチェロやコンバスのプロの方々や、若い精鋭の方々と気さくにお話しもさせて頂いて、いろいろな経験をさせて頂きました。自分のコンバス的なことも客観的に良く知ることが出来ました。 その点に於いて、コンバス的に、先生には誘って頂いたことを深く深く、感謝致しております。<(_ _)>。 そして・・・ 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 コントラバスの大御大、松野茂先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 松野先生は御年81歳。 今大会のリハーサルから本番まで、思うにご自身のお体のことより後進の指導に重きを置かれて、何度も東京から清水までコントラバス合奏の指揮者・指導者として足を運んでくださり、私のような市井の人間が言うのも大変恐縮ではありますが、数回のリハーサル・GPの指導と指揮、本番の指揮を、穏やかな物言い態度ながら、きっぱりと徹底的にご立派にやり遂げられたその次の日に、その音楽人生、指導者人生、コントラバス人生に、潔過ぎるほど潔く壮絶に全きピリオドを打ち(これはあくまでも私の感慨であります)、天に召されたとのことです。 私はもちろん個人的な接点などあろうはずもなく、ただ、私が初めてコントラバスのレッスンで使わせて頂いた教本が、図らずも松野先生著の『コントラバス教則本』(ドレミ楽譜出版社)でした。 そして個人な会話こそしておりませんが、リハーサルの合間に偶然にも隣りのテーブルで休憩を取り、そのお姿やお声、お話ししている様子などを、間近で感じることを経験させて頂き、26日のリハーサルの時には、スタンバイされている松野先生に最も近い位置にいたのがなんと私でした。 それだけも、凡人な私には奇跡のような出来事でした。 松野先生、お体もお心も、ゆっくりゆっくり、手足を楽に伸ばして、温かな温泉にでも浸かるような心持ちで、安らかにお休みなさってください。 私は遠い遠い繋がりではありますが、松野先生のひ孫弟子の一人のつもりと、自慢させていただきます。 松野茂先生 コントラバス奏者、教育家、国立音楽大学名誉教授。東京都立青山高等学校、東洋音楽短期大学(現東京音楽大学)を経て、国立音楽大学音楽学部器楽科、においてコントラバスを専攻する。 在学中から東京交響楽団にコントラバス奏者として在籍、1961年に同大学専攻科卒業後、マンハッタン音楽大学に留学し、マサチューセッツ州スプリングフィールド交響楽団に在籍する。帰国後は国立音楽大学、昭和音楽大学で教鞭をとり、1979年に国立音楽大学教授、2002年に名誉教授となる。 この間、日本弦楽指導者協会理事等を務めたほか、神奈川青少年交響楽団理事、新教育者連盟常任理事などを務め、後進の指導に当たる。 主著に『コントラバス教則本』(ドレミ楽譜出版社)がある。 松野先生ご自身も、きっと、このお役目を、全うなさりたかったのでしょう・・・。 私は、そう思いました。 2017.4.5 am3:48
by soranosoto
| 2017-04-05 03:48
| ・ LOVE CONTRABASS
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Comments(4)
松野先生の最後の演奏会の様子を拝見することが出来、大変感謝しております。
私は松野先生に指揮法を教授していただき、そのご訓導は今もありがたく思っております。 ささやかながら私も松野先生との思い出を紹介させていただきましたので、ご笑覧いただければ幸いでございます。
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ao
at 2017-04-13 00:57
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鈴村さん、
コメントを入れていただき、大変恐縮しております。 返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。 鈴村さんの記事、読ませていただきました。 そしてやはり、松野先生ご自身はきっと、JASTA STRING FESTVAL初の、コントラバス合奏の指揮をおやりになる決意を、ご自身のお体を押して、貫き通したのだろうと思いました。 休憩中に垣間見た松野先生の、お茶目なおじいちゃまっぽい雰囲気とはまるで別人のような、キリッと、かくしゃくとした、現役そのものと言ってはばからない、指揮・指導の、松野先でした。 指揮法をご教授頂けたなんて、なんて羨ましい! 良かったですね♡
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hideonoshogai at 2017-08-17 09:45
初オケ参加お疲れさまでした。体調万全では無い中での演奏は大変だったと思いますが、今回の練習と演奏を通じてaoさんが得るものは大きかったのではないかと思います。
松野先生のことは存じませんでしたが、コンバスを愛して止まない先生が居なくなられたのは残念です。 今回の演奏がこれからのaoさんのコンバス生活を一層充実させてくれることと思います。
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ao
at 2017-08-17 13:55
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hideoさん、
コメントありがとうございます。 体調万全な中での演奏・・。そんなことができたらどんなにか良いでしょうね。わたしには経験がありません。いつも身体的には辛い中での練習、レッスン、ステージの時は尚の事です。 それでもどうしてもコンバスがやりたくて、続けられる限りはなんとか、と思っております。 確かにステージは楽しかったり、良い経験にもなりますが、それを上回るあれやこれやで、どうでもいいとさえ思えてしまいます。
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